クリニック勤務の看護師の仕事
大きな病院とは違い、クリニックに勤める看護師は、スタッフの数が少ないので、さまざまな業務を一人でこなす必要があります。看護師の仕事以外にもやらなくてはいけない雑用業務があり、さまざまな業務に対応できるスキルが必要になります。
主な仕事内容
クリニックは入院施設がありません。そのため、看護師の業務は外来診療が中心です。患者が検査を受けるための説明、医師が行う診察補助や治療の補助、検査に必要な採血、治療に必要な点滴など、医師がスムーズに患者の診察が行えるようにサポートするのが、クリニック看護師の主な仕事です。診療科によっては専門的なスキルが必要になり、それによってさらに業務内容が増えるケースもあります。
また、診療所内の薬品や備品管理、受付に電話対応や清掃まで、少人数であらゆる仕事をこなす必要があります。スタッフとして、看護師の業務以外もこなさなくてはいけません。
クリニック看護師の業務スケジュール
夜勤がないところがほとんどです。朝出勤して診療の準備をし、午前の診療が行われます。お昼に休憩をはさみ、午後の診療があります。診察時間が終了してから、カルテや備品の整理などをして、終わりです。
しかし、診療が延び、残業が発生することもあります。また、午前診療が延びると、お昼の休憩を取ることができない場合もあります。
クリニック勤務の看護師がつらいと感じる時
夜勤もなく、休日も決まっているのでスケジュールが立てやすく、クリニック勤務は楽なのではないかと感じますが、つらいと感じる時もあります。それはどのようなケースでしょうか。
人間関係が良くない
クリニックは、スタッフの人数が少ないです。そのため、相性が合わない人がいた場合、回避することが難しくなります。大きな病院のようにシフトをずらすこともできないので、毎日同じ人間関係の中で業務を続けなくてはいけません。
また、看護師同士が良くても、医師との関係が悪い場合もあります。クリニックの場合、医師が経営者なので、なかなか逆らいにくいといった事情もあります。
業務内容に雑用が多い
とにかくクリニックはスタッフの人数が限られているので、雑用も共有して行わなくてはいけません。看護業務以外の雑用がやたら多い場合は、あきらかにスタッフが足りていないと言えるでしょう。しかし、クリニックの経営上、院長がスタッフを増やしてくれないなど、対応が不十分になることもあります。そのため、夜勤が無くても残業が多い、大きな病院と変わらないぐらい忙しい、というクリニックもあります。
自由な休みや連休が取れない
人数が少ない事情が分かっているので、自由に休みが取りにくいです。また、クリニックは土曜日も半日勤務のところが多く、土日で連休にして休むことも難しいでしょう。夜勤はないけれども、まとまった休日がないので、ゆっくりと疲れを取れないかもしれません。
仕事に対するモチベーションが低くなる
クリニックに勤務していると、決まった業務が多く、新しいスキルを身につけたいと思っていても、なかなか実現できないことが多いです。専門に特化したクリニックでない場合は、単調な仕事にモチベーションが下がってしまうかもしれません。看護師としてやりがいを感じたいならば、転職を考えてみるのも一つの方法です。
クリニック看護師として楽しく働くには
人間関係や業務内容に不満を感じているのであれば、改善に向けて、次のような行動に努めてみましょう。
人間関係を良好するためにコミュニケーションを取る
どこで勤務しても、コミュニケーションを取ることは大切です。挨拶は必ずする、わからないことは積極的に質問するなど、ちょっと意識を変えて行動するだけでも、コミュニケーションを取ることができます。関係性を変えていくことで、少しずつ人間関係も変わっていきます。
相談できる人や場所を作る
悩み事がある時に、一人で抱え込むのは危険です。心と体にも悪影響を及ぼす可能性もあります。そんな時は、周囲に相談することを頭に入れておきましょう。
身近な人に言いにくいのであれば、看護師の相談センターなどもあります。話すことで、気持ちが切り替わる場合もあります。また、相談内容次第では適切なアドバイスを受けられますから、一人で悩むのはやめましょう。
働く環境を変える
今の職場で我慢をするのではなく、転職という道を選択することもできます。その際は、同じことを繰り返さないように注意したいものです。
働く環境を変えることで、周囲の人も変わります。しかし、そこで自分も変わらなければ、同じことを繰り返してしまう可能性もあります。転職したら、気持ちも切り替えて対応しましょう。
転職する前には、しっかりと転職先のリサーチをしておくと安心です。先輩や周囲の人の話、転職サイトなど、積極的に情報収集して、自分に合ったクリニックを見つけてください。