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    看護師のキャリアを考えるために知っておきたいこと

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    考えるべきは「どう働くか」だけでなく「どう生きるか」

    今までは看護師というと、主に病院で診療のサポートや、入院患者の看護をするのが仕事だと思われていました。今でもそう考えている人は多いでしょう。しかし、超高齢化社会となり、クリニックと病院、そして介護との連携というチーム医療がどんどん進められるようになっています。看護師が活躍できる場もとても多くなってきました。

    今までは看護師の中でも管理職を目指すか、それとも現場第一で臨床のスペシャリストになるか、専門性を高めていくか、それともジェネラリストを目指すかというように、ある程度限られたキャリアパスしか選べませんでした。ライフステージが大きく変化した時に、このキャリアパスから外れてしまう看護師がとても多くいました。

    しかし、最近では個人の生活プランに応じて、働き方を選べるようになってきています。常に自分にとって良い条件で働き続けるために、人生の分岐点においての転職も視野に入れ、毎日の業務を行いものです。一昔前は同じところで最後まで(定年まで)働くのが当然と考えられていましたが、今は違います。転職を考える時には、自分はどう働くかだけではなく、どう生きるかを考えましょう。

    看護師の仕事は人の命に関わり、そして人の役に立つ仕事です。それだけに、精神的、肉体的にも疲弊することが多いでしょう。自分の働きを正しく評価してもらっているか、プライベートが充実しているかも考慮し、やりがいを維持できる職場を見つけることが大切になります。

    看護師のキャリアプランは大きく3種類

    看護師のキャリアプランは、大きく分けて3種類あります。この3つのコースについてまとめています。

    スペシャリストコース

    看護のスペシャリストとは、特定の専門分野に関して、豊富な知識とレベルの高い看護を提供できる看護師のことです。例えば、がん看護や精神看護、小児看護、老人看護、そして母性看護などの分野で、高い看護が提供できる看護能力を認められた人がスペシャリストとなります。スペシャリストになるには、専門看護師や認定看護師の資格を取る、大学院に進学するという方法があります。

    資格の中には大学院修了が条件となっているものもありますので、まずは看護系大学院への進学を検討してみると良いかもしれません。

    大学を卒業していなくても大学院には行けるので、働きながらチャレンジする看護師が増えているのも事実です。

    現場のスペシャリストとなるので、患者さんに提供する看護の水準が高いというだけでなく、他の医療従事者たちのスキルアップさせることも役割の一つとなります。なお、認定看護師と専門看護師をひとまとめにすることが多いようですが、役割に違いがあります。認定看護師は「実践」「指導」「相談」の3つですが、専門看護師は「実践」「教育」「相談」「調整」「倫理調整」「研究」という6つの役割があります。

    ジェネラリストコース

    ジェネラリストとは、スペシャリストのような特定の専門分野でのキャリアと違い、看護師として幅広く、オールラウンダーとして活躍することを言います。専門看護師や認定看護師のように資格を取得するのではなく、自他共にオールラウンダーだと認められた看護師がジェネラリストです。

    ジェネラリストになるには、とにかくいろいろな分野で経験を積むことが必要です。一つの病棟に長くいるのではなく、定期的に病棟を変わり、様々な診療科で経験を積むのです。診療科が違うと、仕事内容も違ってきます。それぞれの現場で慣れておくことで、どんな現場に行っても仕事がこなせるようになります。

    また、介護施設や在宅看護といった、病院以外の現場の看護職についても知っておくことが大切ですから、経験を積むための転職も考えておく必要があるでしょう。看護師経験3年以上の中堅レベルになった頃に、キャリアプランについて考えてみましょう。

    マネジメントコース

    マネジメントとは、看護師をまとめる管理業務や、教育する立場の看護部長や看護師長などになって、マネジメントに携わることです。看護師のキャリアアップというと、マネジメントを思い浮かべる人が多いことでしょう。

    看護師としてキャリアを積むのはもちろんのこと、スタッフ教育や病院のマネジメントに関わりたい人は、「キャリアラダー」を採用した病院で働くことをおすすめします。キャリアラダーとは、はしごを登るようにキャリアアップできるようにした制度です。

    この制度があるところだと、看護師のスキルだけでなく、マネジメントについても学べます。管理職を目指すなら、キャリアラダーの達成とマネジメント研修、そしてリーダー研修なども受講することが必要となります。

    また、自身の所属以外の診療科に意見を言うことも出てきます。自分の意見をはっきりと言葉にする力やリーダーシップを発揮する力も必要です。

    看護師長を目指せば、病院のマネジメントや人材の育成にも力を入れることができます。

    キャリアプランを考えるために

    自分は将来どんな看護師になりたいかを考えたことはあるでしょうか。どんな看護師になり、どのような方向へ進んでいきたいかを考えている人は多いでしょう。看護師は、他の仕事と比べると、いろいろなキャリアプランを考えることができます。

    看護師のキャリアプランは早めに考えておく必要があります。看護師になって、毎日の業務をただ漫然とこなして数年経ったというのでは、「あの分野で仕事がしたい」と思った時は遅かったということもあり得ます。

    キャリアプランを考え、それを実現するために具体的にやっておくべきこと4つをご紹介しますので、参考にしてください。

    キャリアプランナーに相談する

    自分のキャリアプランを考えると、もっと良い条件のところに転職した方が良いということもあるでしょう。今の時代、スキルアップ、キャリアアップのために転職することは珍しいことではありません。むしろ、どんどん転職しようという流れになっています。

    このプランではどのような方面に転職すれば良いのかわからない、アドバイスが欲しいということも出てくるでしょう。そんな時は、キャリアプランナーに相談することをおすすめします。

    キャリアプランナーは、一人一人のキャリア形成実現のために支援を行う専門家です。その人にとってどの仕事がベストかを考え、仕事を見つけるサポートをしてくれます。

    キャリアプランナーは人材派遣会社や就職、転職サイトに在籍し、相談に応じています。転職サイトなどでは無料で登録して相談できますので、いくつかのサイトに登録しておいて、利用すると良いでしょう。

    相性の良いプランナーと巡り合えば、的確なアドバイスがもらえ、自身のキャリアプラン形成に大いに役立つことでしょう。看護師専門の転職サイトもあるので、そういったところから探してみると良いです。専門家に相談することで、よりはっきりとキャリアパスが見えて来るかもしれません。

    セミナーに登録

    医療技術は日々進歩しています。そのため、看護師は常に知識、技術共に進歩していかなければなりません。新しい知識をどんどん取り入れることは、自身のキャリアアップに繋がります。

    常に新しい知識を取り入れるには、現在の職場で行われる勉強会やセミナーに参加するのはもちろんのこと、外部でも開催されているセミナーなどに登録し、どんどん参加しましょう。外部のセミナーは著名な講師から指導が受けられるので、とても勉強になります。

    キャリアプランが決まっている人はそれに合わせたセミナーに参加すると良いですし、まだ決まっていない人はちょっと興味があるものに参加してみると良いでしょう。そうすることで世界が開け、キャリアプランが見えてくるかもしれません。

    資格の勉強

    キャリアプランを実現するために、役立ちそうだと思う資格を取得することをおすすめします。看護師資格だけではキャリアアップも難しいですから、プラスになるような資格を取得してみましょう。

    特定分野で高い知識と技術を持つ認定看護師や専門分野に特化した専門看護師をまず検討することをおすすめします。

    通院や入院中の患者さんの心のケアを行う臨床心理士も取得していると看護にも役立ちます。

    そして、ケアマネージャーや助産師、保健師といった国家資格があると専門性が高まり、キャリアパスに幅が出てきます。

    これらはほんの一例ですが、資格があると、自分のキャリアアップはもちろんのこと、患者さんに高度な看護を提供できることに繋がります。

    これらの資格を取得するためには、様々な条件があります。自分はその条件をクリアしているかを確認しましょう。もし必要なものがあれば早めに準備しないといけないため、進路を決める時には資格取得のことも考えておく必要があります。

    自分で情報収集

    今までと違って、病院以外のところでも様々な方面から、看護師のスキルが欲しいと求められるようになっています。仕事の幅がかなり広がってきている時であるからこそ、自分のキャリアプランを実現するために情報を集める必要があるのです。

    キャリアプランが決まっていない人も、情報を集めることは必要です。看護師の業界はずっと人手不足が続いていて、求人は途絶えることがありません。求職中の人にとっては良いことなのですが、しっかり情報を集めずに就職や転職をしてしまうと、こんなはずではなかったと後悔することになります。

    今はインターネットで情報を簡単に集めることができます。しかし、それだけでなく、看護師の先輩や同僚に相談していく中で、自分がなりたい看護師とは何かを見つけることができるかもしれません。もし興味のあるものが明確になっているのであれば、実際に行ってみて、直接自分の目で確かめるのも良いでしょう。

    インターネットのぼんやりした情報よりも、自分の目で確かめた方が自分の将来の姿がイメージしやすいかもしれません。そうすれば、自分のキャリアプランもはっきりと見えてくるでしょう。

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