転職回数が多い看護師の場合、採用担当者からは安定性や忍耐力に不安を感じられる可能性がありますが、必ずしも転職回数が多いことが不利に働くわけではありません。
転職回数が多い看護師であっても、前職で培った経験やスキルを活かせる場合や、転職理由が妥当である場合は採用担当者から理解を得られることもありますので、転職回数が多い人は転職回数が多いことのメリットをポジティブに伝えられるよう、この記事で振り返ってみましょう!
転職回数が多い看護師でも大丈夫?
まず、転職回数については1回や2回程度の方も多いですが、なんと10回以上転職された方もいるという報告もあります。
転職者の年齢層としては40歳以上で転職する人が63%程度と最も多いです。また、有効求人倍率は2倍程度(転職者数に対して求人件数が2倍ある状態)となっており、転職できるチャンスが多い状態です。
今後も慢性的な看護師不足が見込まれており、昨今は単発勤務やフリーランスとして働いている看護師も多いため、スキルが伴っていれば年齢や転職回数はさほど気にしなくても大丈夫でしょう。
転職回数が多い場合のメリットとデメリット
転職回数が多い場合でもポジティブな転職を繰り返していれば次の転職時にも好材料となるでしょう。ここでは転職のメリットやデメリットを紹介します。志望理由や転職理由を説明する際の材料としてもご活用ください。
看護師の転職回数が多い場合のメリット4選
職務経験やスキルが豊富になる
看護師は、患者さんに対するケアの他に、医療現場での様々な業務に携わることが求められます。多くの施設で、業務内容は多岐にわたり、それぞれの職場での仕事のやり方や、設備・器具の種類や使い方も異なるため、転職することで職務経験やスキルが増える可能性があります。
自己成長につながる
新しい職場での仕事には、新しい環境に適応したり、新しい知識や技術を学んだりすることが必要です。それにより、自己成長につながりキャリアアップにもつながる可能性もあります。
また、新しい職場で出会う人たちから、新たな視点を得ることもでき、スキル面だけではない内面の成長も期待できます。
給与アップや待遇改善のチャンスがある
看護師は、転職することで給与アップや待遇改善のチャンスがあるとされています。転職先で求められるスキルや経験が高い場合には、より高い給与や待遇が得られることがあるためです。
働く環境が改善される可能性がある
転職することで、働く環境が改善される可能性があるとされています。職場の人間関係や労働条件に不満がある場合には、新しい職場で働くことで改善できるかもしれません。また、自分に合わない職場を辞めることで、ストレスや不安が軽減される場合もあるかもしれません。
転職回数が多い場合のデメリット4選
看護師の転職回数が多い場合、以下のようなデメリットがあるかもしれません。
職場での信頼性の低下
転職回数が多いと、職場での信頼性が低くなる可能性があります。特に、同じ職場に長く勤めている人からは、すぐに辞めてしまうのではないかと不信感が生まれる場合があります。
就職先が限られる
転職回数が多いと、就職先が限られる場合があります。特に、求人票には応募資格の欄があり、転職回数が多い場合、応募資格に該当しない場合があるためです。
給与面での不利益
転職回数が多い場合、次の職場での給与が低くなる可能性があります。転職回数が多いと、採用側からは、次も短期間での離職の可能性があると考えられるため、給与面での不利益が生じることがあります。
将来のキャリアアップに影響を与える
転職回数が多い場合、将来のキャリアアップに影響を与える可能性があります。例えば、管理職に昇進するためには、長期間同じ職場で働いていることが求められることが多く、転職回数が多いと昇進が難しくなる可能性があります。
以上が、看護師の転職回数が多い場合のデメリットの一例です。ただし、必ずしもこれらのデメリットが全て当てはまるわけではありません。個人の状況によって、メリットやデメリットは異なってくるため、自身の状況を考慮した上で転職をすることが大切です。
看護師が転職する理由は?
需要の多い看護師業界では、辞めてもすぐに転職先が見つかることが多いものです。とはいえ、転職を考えるにはそれなりの理由が存在するはずです。
人間関係のトラブル
職場の人間関係のトラブルが理由になるのは、どこで働いても起こり得る問題です。看護師の場合は特に、先輩や医師、患者さんやその家族、他の診療科のスタッフなど、関係性のある人間関係の幅が広く、そんな中で人間関係を築いていかなければいけません。その中で、どうしても合わない人がいたり、日常的にトラブルが起こることもあります。対処しても改善されない場合は、転職に踏み切り、職場環境を変えようと考えるのです。
体調や体力的問題
診療科の業務内容によりますが、看護師はとても体力のいる仕事です。夜勤もあり、生活リズムも崩れがちになります。自分のライフスタイルに合っていない場合は、体調を崩してしまうこともあります。また、年齢的な体力の衰えで、同じ職場での業務が難しくなることもあるものです。そんな時には、自分に合ったシフトで業務がこなせる職場への転職を考えるでしょう。
キャリアアップ
現状の職場では自分の理想の看護師になれないと思った時に、キャリアアップのために転職する人がいます。一般的には、転職の回数が多いと再就職に不利と捉えられがちですが、看護師の場合は転職の回数が多くても、職場経験が豊富だと見なされることも多いです。それは、専門スキルを持っており、転職でスキルアップしているという認識があるからです。
家庭の事情
家族の事情で、自分が現状の職場で働くことが困難になる場合があります。育児やパートナーの転勤や介護など、離職を余儀なくされることもあります。ただし、看護師は引っ越しをした先でも需要が見込まれるので、転職も前向きに考えられるでしょう。
続けられる転職先を見つけるには
転職の回数は経験値でもありますが、できれば自分に合った職場で長く働きたいものです。自分に合った職場を見つけるにはどうしたらいいでしょうか。
転職理由をはっきりさせておく
「なぜ自分は転職をしたいのか」という転職理由をはっきりとさせておきます。そうすれば、面接時に迷いなく答えられますし、一貫性のある説明ができます。そして、転職理由がはっきりしていると、転職先に求める条件も見えてきます。
転職先に求める条件をリストアップする
転職するに当たり、これだけは譲れないといった条件をリストアップし、順番を付けておきます。夜勤の無いところ、手当が充実しているところ、休日が取りやすいところなど、優先順位を付けておくことで、それ以外の条件が満たされていなくても、これならば妥協できるという点がはっきりします。希望の職場を見つけやすくなるでしょう。
転職の多い看護師の面接のコツ
転職回数が多くても、面接の対策をしておけばそんなに心配することはありません。コツを押さえて、転職を有利に進めましょう。
職務経歴書は正直に書く
転職回数が多いからといって、職務経歴書を省略して書いたり、ごまかしたりするのは良くありません。どの診療科で、どんな業務についていたかを正しく書いてください。きちんと書かれていれば、スキルの経歴をたどることができるので、経験値の多さを意味することにつながり、それがそのまま自己アピールになります。
理由に一貫性をもたせる
転職の面接時には、退職理由や転職する理由、そして志望理由を聞かれます。その場合、転職の回数が多いと、細かく聞かれる場合もあります。ここで一貫性のある理由と説明をしないと、信頼を得ることができません。特に、退職の理由などはネガティブな内容だと話したがらない人も多いですが、隠さずに説明をして、前向きな気持ちで転職をしたことを伝えましょう。
看護師の転職先の探し方
転職先を探すには、いくつか方法があります。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
ナースセンター(日本看護協会による職業紹介サービス)
日本看護協会が運営するナースセンターは、看護師専門の職業紹介サービスです。看護師の求人情報を掲載しており、登録して応募することができます。登録は無料で、看護協会が運営しているため、信頼性が高く、安心して利用できます。
メリット
・看護師専門の求人情報が多数掲載されている。
・看護協会が運営しているため、安心して利用できる。
・無料で登録できる。
デメリット
・他の求人情報サイトと比べて、求人情報の更新が遅い場合がある。
・求人情報の地域的な偏りがある場合がある。
ハローワーク
ハローワークは、国が運営する公共職業安定所です。求人情報を掲載しており、求職者が登録して応募することができます。看護師の求人情報も掲載されており、利用することができます。
メリット
・求人情報が多数掲載されており、地域や雇用形態、給与など様々な条件で検索できる。
・運営が国なので、安心して利用できる。
・無料で利用できる。
デメリット
・求人情報には、看護師に特化したものがない場合がある。
・求人情報の更新が遅い場合がある。
看護師専門の転職エージェント
看護師専門の転職エージェントは、求職者に代わって求人情報を探してくれるサービスです。求人情報の提供だけでなく、履歴書の書き方や面接の受け方などのアドバイスを受けることもできます。
メリット
看護師専門の転職エージェントのメリットは、専門的なアドバイスや情報提供が得られることです。転職エージェントは、看護師の転職に特化したプロのコンサルタントが在籍しており、求人情報や市場動向に精通しています。また、転職に必要な履歴書や職務経歴書の書き方や面接対策などのアドバイスも受けられるため、自己PRの仕方や転職活動の進め方に不安がある方にはおすすめの方法です。
デメリット
一方で、転職エージェントにはデメリットもあります。まず、転職エージェントに依頼すると、そのエージェントの提供する求人に限定されることがあります。また、転職エージェントによっては、成功報酬を求めるものもあり、その場合は転職が決まらないと手数料が発生することがあるため、注意が必要です。
知人の紹介
メリット
最後に、知人や友人からの紹介のメリットは、自分を知っている人から直接紹介してもらえるため、求人情報が自分に合っている可能性が高いことです。また、人脈を広げることができ、自分で探すよりも効率的に求人情報を収集することができます。
デメリット
ただし、知人や友人からの紹介は、その人脈に限定されるため、求人情報が少ないことがあるかもしれません。また、紹介してくれた人に気を遣う必要があるため、自分の意向と異なる求人に応募しなければならない場合もあるかもしれません。
まずは転職エージェントでアドバイスを受けるのも一つの手
転職を繰り返すと、迷いが出てくるものです。迷ったり悩んだりする場合、転職エージェントに登録しておけば、プロのキャリアアドバイザーにアドバイスを求めることができます。客観的に自分を分析してくれ、転職の多い人向けのアドバイスももらえます。現状の仕事をしながら転職先を探している場合は特に、スケジュール的なアドバイスも大きく影響してくるでしょう。一人で抱え込まずに相談してみることをおすすめします。